梅雨に長雨の時期ですね。
まさに今が桶仕込みの味噌にカビが大繁殖するシーズンです!
初めて木桶で味噌を漬けて、底からにじみ出た溜りを見て大丈夫なんか?と思ったり、
カビを見てぞっとし、これでいいのかと不安を感じている方もいるのでは、と思います。
桶仕込みとはこういうものだ、ということをご理解していただく上でも我が家の味噌の現状をご紹介します。
鴨川桶店の味噌桶置き場。
標高1000m 長野県です。

外に出る扉の近くですが、閉めっぱなしで通気性は悪いです。
ここしか置き場がないので引っ越し以来四年間ここが味噌蔵になっています。
カビに関しては毎年悲惨な状態に陥る我が家。
蓋を開けて あ、、、、、、、
見なかったことにしよう。
と、とりあえず蓋を閉める。
見るのも嫌になるくらい悲惨が状況なので写真なんか撮れません。
心を落ち着かせ、よし、カビを取るか。と踏ん切りをつけるので精一杯。
まっくろくろすけみたいな謎の物体がわっさーと生えていたこともあるんですよ。
でもね、このカビ過程を乗り越えてこその桶仕込みです。
悩み、乗り越えて出来上がった味噌の味は想像以上に美味しいんです。
桶で味噌をつくると、やはりみなさん一度はカビに悩まされる経験がある訳で、試行錯誤してカビが生えにくくなるわけです。
成功したよ!!と、お客様がメッセージをくれたりします。これはもう桶屋にとって嬉し涙。
こんな方法もあるよ、とお客様が色々教えてくださいます。感謝感謝。
わたしも教えて頂いた方法で、今年は内蓋を色々変えて漬けてみました。
どうなってるかな。蓋を開けてみました。
まずは残り少ない三年前に漬けた味噌から。(グロいですよ)

酵母菌がびっしり。
あと一キロ分も残っていないと思います。
味噌として完成しているので、ここまできたらこれ以上カビが生える心配はありません。

次に詰め替える分を容器に移し替えたら
このまま空の状態で味噌が付いたまま次に仕込むまで保管しておきます。
(我が家は春に漬けるので、春までこのまま)
詰め替え用味噌桶あります!→こちらクリック
洗って綺麗にしたらカビが生えます。
次の味噌を漬ける前日に洗ってくださいね。
次は銀手亡の白みそ (味噌作りの様子は→こちらクリック)
(気が緩んで)自家製麹に納豆菌が繁殖してしまったやつです。
味噌の上にラップ+塩蓋をしました。


六月に途中カビが生えました。
お菓子に使う予定で甘~い白みそを作ろうと思い、大豆一キロ、麹二㎏、塩280gで仕込みました。一か月後には出来上がっている予定です。
が、二か月経過しても塩気が抜けず、まとまりのない熟成不足の味+カビが生えたので、塩を720g足しました。
標高1000mの場所では漬ける時期が早すぎたのかな。
白みそはあきらめ、一年寝かせて普通の甘口味噌に変更。
相変わらず納豆臭がしますが、味はなかなかいい感じ。

カビは全く生えていません。
塩蓋、調子いいです。
桶の横から溜りが滲み漏れています。たまりにカビが付きはじめていますね。

少しでも空気が通るよう、桶の下に木をかませるのかポイントです。
そうすることにより、桶の底にカビが生えるのが軽減されます。
次、去年の八月に漬けた味噌
一度も天地返しせず、このまま。
焼酎に漬けたサラシを蓋にしています。


白い酵母菌がびっしり。この白いやつは味噌に混ぜて食べています。
変なカビは生えていない。


重石をぎゅーって押すと、溜りがじわ~っと出てきます。
同時にぷすっぷすっってガス?空気?出てきます。
このガスが曲者。
お客様からよく、プラスチックや琺瑯で味噌を漬けていた時は、発酵が進むと桶の中にアルコールがたまり、「味噌酒」になり、まずい味噌になったことがある。というお話を聞きます。
木の桶は木が呼吸しますので、アルコールも外に排出されますので味噌酒の心配はなくなります。
これが木桶仕込みのいいところ。

桶の側面には溜りがにじみ出た跡がありますね。
底に敷いた新聞紙も、溜りの色が付いています。
次は味噌作りワークショップでみんなで漬けた味噌
当日の様子は→こちらクリック
焼酎に漬けたサラシ+酒粕で蓋をしました。

全くカビ無し。いい感じです!


桶の底からは溜りがにじみ出ています。塩分の浸透圧の関係ですので、これは止めようがありません。こういうものだ、とご理解ください。
特に桶を新調した初年度は、桶に塩気が染みていませんので、漏れやすくなります。
ある程度桶がしっとり塩分を吸収するば、漏れは落ち着いてきます。
次年度からも全く滲みは出なくなるわけではありませんが、初年度程ではないと思います。
昔は土間に置いていたので漏れも何も気にならなかったと思いますが、現代はそうもいかないので、あらかじめ底に新聞紙等の「受け」を用意することをお勧めします。
作る方それぞれによって仕込む際の水分量も違います。
ご自分の桶に合う水分量が年々わかってくるかと思います。
先ほども書きましたが、塩気が溜りとして外に出ていますので、この溜りにカビが付きやすい。
桶の底に木や割りばしをかまして桶をのせて保管すると、空気が通るのでカビが付きにくくなります。
木桶に発生するこういう類の溜りの「漏れ」や「カビ」、漬物を漬けたときの失敗した時のカビなんて、もっとすごいですけどね(笑)
軽くて漏れないプラスチックの桶が主流になるのは現代の暮らしに合っているからだと思います。
最後は5月に漬けた味噌 味噌作りの様子は→こちらクリック
蓋は酒粕+ラップ


溜りがたまっています。
いい感じなので、下手にさわらずこのままそっとしておくことにしました。
溜りが浮かび始めたらカビ生え危機の第一段階は終わっています。
第二段階は天地返しした後。
第三段階は夏の長雨。この時期は桶の外側の側面がカビの胞子に包まれます。
味噌として塩気がなくなり、味に丸みが出て食べられる状態になると不快なカビは生えなくなります。
カビは味噌の熟成が若い時期に発生します。
以上です。
毎年この時期はカビに悩まされていましたが、内蓋に工夫をしたところ、現段階で我が家の味噌には嫌なカビが現れていません。
木桶で仕込むと今までのプラ桶や琺瑯で漬けていた時代とは違う悩みにぶち当たります。
その悩みを超えて出来上がった味噌の味は、今までに味わったことのないまろやかで奥深い味が広がっています。
途中現れた黒カビ、青かび、白カビ、見たこともないような胞子の塊…
そのカビたちも発酵の手助けをしてくれている仲間です。
去年の味噌作りワークショップで仕込んだ味噌の味比べ会を開催した際、一人の方の味噌で、カビだらけ。青カビ黒カビ赤カビ、、ありとあらゆる泥の様なカビを取らずにそのまま放置熟成し、出来上がった素晴らしく美味しい味噌がありました。
味比べのレポートは→こちらクリック
桶で仕込むとカビが生えるものだ、溜りがにじみ出るものだ
ということをご理解した上で桶を使用し、途中現れたカビたちも美味しいお味噌にしてくれる大切な過程の一部なんだと、うまくお付き合いしていきましょうね。
菌は生き物です。美味しいお味噌になってね。
少しの声掛けで味が変わったりするのも桶仕込み味噌の面白いところですよ。
桶を育て上げていきましょう。
鴨川桶店HP
http://okekamo.wixsite.com/okekamo
まさに今が桶仕込みの味噌にカビが大繁殖するシーズンです!
初めて木桶で味噌を漬けて、底からにじみ出た溜りを見て大丈夫なんか?と思ったり、
カビを見てぞっとし、これでいいのかと不安を感じている方もいるのでは、と思います。
桶仕込みとはこういうものだ、ということをご理解していただく上でも我が家の味噌の現状をご紹介します。
鴨川桶店の味噌桶置き場。
標高1000m 長野県です。

外に出る扉の近くですが、閉めっぱなしで通気性は悪いです。
ここしか置き場がないので引っ越し以来四年間ここが味噌蔵になっています。
カビに関しては毎年悲惨な状態に陥る我が家。
蓋を開けて あ、、、、、、、
見なかったことにしよう。
と、とりあえず蓋を閉める。
見るのも嫌になるくらい悲惨が状況なので写真なんか撮れません。
心を落ち着かせ、よし、カビを取るか。と踏ん切りをつけるので精一杯。
まっくろくろすけみたいな謎の物体がわっさーと生えていたこともあるんですよ。
でもね、このカビ過程を乗り越えてこその桶仕込みです。
悩み、乗り越えて出来上がった味噌の味は想像以上に美味しいんです。
桶で味噌をつくると、やはりみなさん一度はカビに悩まされる経験がある訳で、試行錯誤してカビが生えにくくなるわけです。
成功したよ!!と、お客様がメッセージをくれたりします。これはもう桶屋にとって嬉し涙。
こんな方法もあるよ、とお客様が色々教えてくださいます。感謝感謝。
わたしも教えて頂いた方法で、今年は内蓋を色々変えて漬けてみました。
どうなってるかな。蓋を開けてみました。
まずは残り少ない三年前に漬けた味噌から。(グロいですよ)

酵母菌がびっしり。
あと一キロ分も残っていないと思います。
味噌として完成しているので、ここまできたらこれ以上カビが生える心配はありません。

次に詰め替える分を容器に移し替えたら
このまま空の状態で味噌が付いたまま次に仕込むまで保管しておきます。
(我が家は春に漬けるので、春までこのまま)
詰め替え用味噌桶あります!→こちらクリック
洗って綺麗にしたらカビが生えます。
次の味噌を漬ける前日に洗ってくださいね。
次は銀手亡の白みそ (味噌作りの様子は→こちらクリック)
(気が緩んで)自家製麹に納豆菌が繁殖してしまったやつです。
味噌の上にラップ+塩蓋をしました。


六月に途中カビが生えました。
お菓子に使う予定で甘~い白みそを作ろうと思い、大豆一キロ、麹二㎏、塩280gで仕込みました。一か月後には出来上がっている予定です。
が、二か月経過しても塩気が抜けず、まとまりのない熟成不足の味+カビが生えたので、塩を720g足しました。
標高1000mの場所では漬ける時期が早すぎたのかな。
白みそはあきらめ、一年寝かせて普通の甘口味噌に変更。
相変わらず納豆臭がしますが、味はなかなかいい感じ。

カビは全く生えていません。
塩蓋、調子いいです。
桶の横から溜りが滲み漏れています。たまりにカビが付きはじめていますね。

少しでも空気が通るよう、桶の下に木をかませるのかポイントです。
そうすることにより、桶の底にカビが生えるのが軽減されます。
次、去年の八月に漬けた味噌
一度も天地返しせず、このまま。
焼酎に漬けたサラシを蓋にしています。


白い酵母菌がびっしり。この白いやつは味噌に混ぜて食べています。
変なカビは生えていない。


重石をぎゅーって押すと、溜りがじわ~っと出てきます。
同時にぷすっぷすっってガス?空気?出てきます。
このガスが曲者。
お客様からよく、プラスチックや琺瑯で味噌を漬けていた時は、発酵が進むと桶の中にアルコールがたまり、「味噌酒」になり、まずい味噌になったことがある。というお話を聞きます。
木の桶は木が呼吸しますので、アルコールも外に排出されますので味噌酒の心配はなくなります。
これが木桶仕込みのいいところ。

桶の側面には溜りがにじみ出た跡がありますね。
底に敷いた新聞紙も、溜りの色が付いています。
次は味噌作りワークショップでみんなで漬けた味噌
当日の様子は→こちらクリック
焼酎に漬けたサラシ+酒粕で蓋をしました。

全くカビ無し。いい感じです!


桶の底からは溜りがにじみ出ています。塩分の浸透圧の関係ですので、これは止めようがありません。こういうものだ、とご理解ください。
特に桶を新調した初年度は、桶に塩気が染みていませんので、漏れやすくなります。
ある程度桶がしっとり塩分を吸収するば、漏れは落ち着いてきます。
次年度からも全く滲みは出なくなるわけではありませんが、初年度程ではないと思います。
昔は土間に置いていたので漏れも何も気にならなかったと思いますが、現代はそうもいかないので、あらかじめ底に新聞紙等の「受け」を用意することをお勧めします。
作る方それぞれによって仕込む際の水分量も違います。
ご自分の桶に合う水分量が年々わかってくるかと思います。
先ほども書きましたが、塩気が溜りとして外に出ていますので、この溜りにカビが付きやすい。
桶の底に木や割りばしをかまして桶をのせて保管すると、空気が通るのでカビが付きにくくなります。
木桶に発生するこういう類の溜りの「漏れ」や「カビ」、漬物を漬けたときの失敗した時のカビなんて、もっとすごいですけどね(笑)
軽くて漏れないプラスチックの桶が主流になるのは現代の暮らしに合っているからだと思います。
最後は5月に漬けた味噌 味噌作りの様子は→こちらクリック
蓋は酒粕+ラップ


溜りがたまっています。
いい感じなので、下手にさわらずこのままそっとしておくことにしました。
溜りが浮かび始めたらカビ生え危機の第一段階は終わっています。
第二段階は天地返しした後。
第三段階は夏の長雨。この時期は桶の外側の側面がカビの胞子に包まれます。
味噌として塩気がなくなり、味に丸みが出て食べられる状態になると不快なカビは生えなくなります。
カビは味噌の熟成が若い時期に発生します。
以上です。
毎年この時期はカビに悩まされていましたが、内蓋に工夫をしたところ、現段階で我が家の味噌には嫌なカビが現れていません。
木桶で仕込むと今までのプラ桶や琺瑯で漬けていた時代とは違う悩みにぶち当たります。
その悩みを超えて出来上がった味噌の味は、今までに味わったことのないまろやかで奥深い味が広がっています。
途中現れた黒カビ、青かび、白カビ、見たこともないような胞子の塊…
そのカビたちも発酵の手助けをしてくれている仲間です。
去年の味噌作りワークショップで仕込んだ味噌の味比べ会を開催した際、一人の方の味噌で、カビだらけ。青カビ黒カビ赤カビ、、ありとあらゆる泥の様なカビを取らずにそのまま放置熟成し、出来上がった素晴らしく美味しい味噌がありました。
味比べのレポートは→こちらクリック
桶で仕込むとカビが生えるものだ、溜りがにじみ出るものだ
ということをご理解した上で桶を使用し、途中現れたカビたちも美味しいお味噌にしてくれる大切な過程の一部なんだと、うまくお付き合いしていきましょうね。
菌は生き物です。美味しいお味噌になってね。
少しの声掛けで味が変わったりするのも桶仕込み味噌の面白いところですよ。
桶を育て上げていきましょう。
鴨川桶店HP
http://okekamo.wixsite.com/okekamo
スポンサーサイト